Glossary

聞いたことのない言葉で止まらないために。

日本の就活には、日本の大学にいれば自然に覚える言葉がたくさんあります。 海外にいるとその機会がないだけで、知らないのは当たり前です。31語を、前提知識ゼロから説明します。

意味だけでなく、海外大生がその言葉のどこで詰まるかまで書いてあります。

出す書類

面接の前に提出する紙。ここでつまずく人がいちばん多い。

ES(エントリーシート)いーえす

別の呼び方:エントリーシート、entry sheet

企業が独自に用意する応募書類で、志望動機や学生時代の経験を文章で書かせるもの。履歴書が事実を並べる紙なのに対して、ESは「あなたがどういう人か」を読むための紙です。多くの企業で、面接に進めるかどうかはまずESで決まります。

英語のCVとは求められているものが違います。CVは「何ができるか」の一覧、ESは「何をしてきた人か」の物語です。CVをそのまま翻訳しても通りません。

くわしく:レジュメって何を書くの?/CVをESに変える

履歴書りれきしょ

氏名・学歴・職歴・資格・連絡先といった事実を、決まった様式に並べる書類。長らくJIS規格の様式例が事実上の標準でしたが、2020年に規格の解説から様式例が削除され、2021年に厚生労働省が新しい様式例を公表しました。

海外の大学に通っていると、学歴欄の書き方(現地校の名称・入学月・卒業予定月)で必ず迷います。現地の呼称をそのまま書いて、括弧で日本語の説明を添えるのが無難です。

出典:厚生労働省 — 新たな「厚生労働省履歴書様式例」の作成について(PDF)

ガクチカがくちか

別の呼び方:学生時代に力を入れたこと

「学生時代に力を入れたこと」の略。ESでいちばん最初に読まれる欄で、どんな経験でも構いませんが、そこで自分が何を考えて、何をして、どうなったかを書きます。実績の大きさより、行動の中身が読まれます。

「留学したこと」自体はガクチカになりません。読み手はもう知っているからです。書くのは、留学先で何をしたか。

くわしく:レジュメって何を書くの?/留学だけでは弱い?/現地プロジェクトの書き方

志望動機しぼうどうき

なぜその会社・その仕事に関わりたいのかを書く欄。就活を始めたばかりの段階で固まっていなくて当然で、まずは「どんな分野に興味があるか」と「そう思ったきっかけ」が書ければ十分です。

海外にいると説明会に行けないぶん、企業研究が薄くなりがちです。採用ページ・IR資料・海外拠点の情報は、現地からでも読めます。

くわしく:海外大生の企業研究

職務経歴書しょくむけいれきしょ

これまでの仕事の中身を詳しく書く書類。主に転職で使うもので、新卒の就活では基本的に求められません。

英語圏の résumé を訳すとこれに近いのですが、新卒で出すものではないので混同しないこと。

選考の流れ

エントリーしてから内定までに、何が起きるか。

エントリー

その企業の選考に参加する意思を示して、応募者リストに登録すること。エントリーしただけでは選考は始まらず、そのあとにES提出や適性検査が続きます。

SPIえすぴーあい

別の呼び方:SPI3、適性検査

リクルートマネジメントソリューションズが提供する適性検査。言語・非言語の能力検査と性格検査からなり、日本の新卒採用で最も広く使われています。

問題文はすべて日本語です。日本語で速く読む練習をしていないと、内容が分かっていても時間が足りません。海外大生がいちばん取りこぼしやすい関門です。

Webテスト/テストセンター

適性検査の受け方の呼び名。自宅のパソコンから受けるものをWebテスト、指定の会場に行って受けるものをテストセンターと呼びます。SPIのほか、玉手箱・GAB・TG-WEBなど複数の種類があります。

テストセンター方式は日本国内の会場が中心です。海外にいる場合は自宅受験が可能かどうかを、応募のときに必ず確認してください。

グループディスカッション(GD)ぐるーぷでぃすかっしょん

別の呼び方:GD、グルディス

学生数人で1つのテーマについて議論し、その様子を採用担当が見る選考。結論の正しさより、議論の中でどう振る舞ったかが見られます。

英語のディスカッションに慣れているほど、日本語の場の速度と譲り方に戸惑います。話す量より、他の人の発言を拾って前に進める役割が評価されます。

リクルーター面談

採用担当ではなく、現場の社員や大学のOB・OGが学生と個別に会う場。「面談」と呼ばれますが、実質的に選考の一部になっていることがあります。

内定・内々定ないてい・ないないてい

採用しますという企業からの通知。政府が要請しているスケジュールでは正式な内定は10月1日以降とされているため、それより前に伝えられるものを「内々定」と呼び分けることがあります。

海外大生は卒業月が日本の3月と違うことが多く、入社月の相談が必要になります。内定の連絡が来た時点で、卒業予定月を早めに伝えておくほうが揉めません。

くわしく:海外大の新卒はいつまで?

内定承諾書

内定を受ける意思を書面で示すもの。提出後に辞退できないものではありませんが、時期が遅いほど企業側の採用計画に影響するため、決めたらできるだけ早く伝えるのが筋です。

複数社から内定が出たときの断り方で悩む人が多いのですが、黙って連絡しないのがいちばん良くありません。

時期と制度

いつ動くのか。海外大生はここが日本の学生とズレる。

就活ルール(広報活動・選考活動の解禁)

政府が経済団体に要請している新卒採用のスケジュール。卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降に会社説明会などの広報活動、6月1日以降に面接などの選考活動、10月1日以降に正式な内定、という区切りです。

法律ではなく要請なので、実際にはこれより早く動く企業が少なくありません。海外大生にとって重要なのは日付そのものより、「日本の学生は前年の夏から動き始めている」という事実のほうです。

出典:内閣官房 — 就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議/内閣官房 — 2027年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請

三省合意(インターンシップの4類型)さんしょうごうい

文部科学省・厚生労働省・経済産業省が定めるインターンシップの考え方。2022年の改正で、学生のキャリア形成支援の取り組みが4つの類型に整理され、そのうちタイプ3・タイプ4だけが「インターンシップ」と呼ばれることになりました。一定の要件を満たしたタイプ3・4では、企業がインターンシップで得た学生の情報を採用活動に使えます。

つまり「1day仕事体験」は制度上インターンシップではありません。海外から日本のインターンに応募するときは、それがどの類型なのか(採用につながるのか、体験だけなのか)を確認する意味があります。

出典:国立大学協会 — インターンシップの推進に当たっての基本的考え方の改正について

くわしく:インターンは単位になる?

サマーインターン

夏(主に8〜9月)に行われるインターンシップ。卒業年度の前の年の夏に参加するのが一般的で、日本の就活は事実上ここから始まります。

海外大の夏休みは日本より長く、6月から始まる大学もあります。日程が合わないことが多いので、応募のときに参加可能期間を先に伝えるのが現実的です。

くわしく:フルタイムインターン

早期選考

就活ルールが定める6月より前に行われる選考。インターン参加者や、特定のイベントで会った学生に対して案内されることが多いです。

通年採用

決まった時期に一括で採用するのではなく、年間を通じて随時採用すること。卒業月が日本と違う海外大生にとっては、この形をとっている企業のほうが話が早く進みます。

くわしく:海外大の新卒はいつまで?

単位認定インターンシップ

大学が卒業単位として認めるインターンシップ。期間・業務内容・受入先の条件が大学ごとに決まっていて、事前に大学の承認を取る必要があります。

マレーシアをはじめ、卒業要件にインターンが含まれている大学は珍しくありません。締切があるぶん動く理由がはっきりしている一方、条件を満たさない受入先を選んで単位にならない、という事故が起きます。受入先を決める前に、大学に条件を確認してください。

くわしく:インターンは単位になる?/単位インターンの探し方

既卒・第二新卒きそつ・だいにしんそつ

既卒は、卒業したあと就職しないまま就職活動をしている人。第二新卒は、卒業して就職したあと数年以内に転職する人を指す言葉です。どちらも法律上の定義があるわけではありません。

卒業月が日本の3月とズレると、書類上「既卒」に見えることがあります。卒業予定月を先に伝えておけば、新卒枠で扱われることは普通にあります。

企業と会う場所

説明会、キャリアフォーラム、OB訪問。接点の作り方。

キャリアフォーラム

海外の大学に通う学生と日本企業が、数日間の会場で直接会う就職イベント。その場で面接が進み、会期中に内定が出ることもあります。ボストン・ロンドン・ロサンゼルス・東京などで開催されています。

アジアには、日本人学生向けのキャリアフォーラムがほとんど開かれていません。マレーシア・台湾・韓国・タイ・フィリピンにいる学生は、この装置が最初から無い前提で就活を設計する必要があります。

出典:CFN(CareerForum.Net)キャリアフォーラム一覧

くわしく:フォーラムがない国の就活/ボスキャリに行けない時

ボスキャリ(ボストンキャリアフォーラム)

別の呼び方:ボストンキャリアフォーラム、Boston Career Forum

毎年秋にボストンで開かれる、世界最大級の日英バイリンガル向け就職イベント。海外大生の日本就職では最も知られた場で、数日で選考が進み内定まで出ることがあります。

アジアから参加するには渡航費と、学期中の1週間が必要になります。行けないこと自体は珍しくないので、行けない前提の代替ルートを先に組んでおくほうが現実的です。

出典:CFN — ボストンキャリアフォーラム

くわしく:ボスキャリに行けない時

会社説明会

企業が事業や採用について学生に説明する場。参加が選考の前提になっている企業もあります。

対面のみの説明会は、海外にいると参加できません。録画やオンライン開催の有無を採用窓口に聞くこと自体が、志望度の高さとして伝わります。

OB訪問・OG訪問

志望する企業で働いている大学の先輩に、個別に話を聞くこと。選考ではありませんが、志望動機を書くための材料がここで手に入ります。

海外大は日本企業に進んだ先輩の数が少なく、この手段が使いにくい。時差を挟んだオンラインでも成立するので、大学の日本人学生会経由で探すのが現実的です。

逆求人・スカウト型

学生がプロフィールを登録しておき、それを見た企業から声がかかる形の就職サービス。自分から探しに行かなくても接点が生まれます。

海外にいて説明会に出られない学生にとっては、この形が最も現実的な接点です。ただし登録しただけでは何も起きません。中身が書けているプロフィールにだけ声がかかります。

働き方・雇用の形

内定のあと、どういう形で働くことになるのか。

新卒一括採用

卒業予定者をまとめて選考し、同じ時期に入社させる日本特有の採用の形。多くの企業では4月入社が基準になります。

10月入社や、通年採用を取り入れる企業も増えています。卒業月が合わないという理由だけで諦める前に、入社時期を相談できるか聞いてみる価値があります。

総合職・一般職

総合職は、部署や勤務地が変わりうる前提で、幅広い仕事を任される採用区分。一般職は、担当業務や勤務地を限定した区分です。

ジョブ型雇用

担当する職務の内容を先に決めて採用する形。従来の日本型(入社後に配属が決まる)と対比して使われる言葉で、専門を決めて学んできた学生には合いやすい形です。

海外の大学で専攻を絞って学んできた人は、その専攻をそのまま職種に繋げられるかどうかで、企業の選び方が変わります。

就活の俗語

公式な言葉ではないが、学生の会話には普通に出てくる。

お祈りメール

不採用の通知メールのこと。「今後のご活躍をお祈り申し上げます」で終わることからこう呼ばれます。

落ちた理由は基本的に教えてもらえません。落ちた数を人格の評価と読み替えないこと。合わなかった、以上の意味はありません。

オワハラ

「就活終われハラスメント」の略。内定と引き換えに、他社の選考を辞退するよう強く求める行為を指します。

その場で即答する必要はありません。考える時間がほしいと伝えるのは、まったく失礼ではありません。

学歴フィルター

出身大学によって選考の通りやすさが変わる、という現象を指す俗語。企業が公式に認めているものではありません。

海外大は、日本企業の人事にとって知名度の差が大きい。大学名を書いて終わりにせず、どの国の・どういう大学で・何を学んでいるかを一行で添えると、判断のしようが生まれます。

言葉が分かったら、書いてみましょう。

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レジュメをつくる